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糖尿病を自力で治すために絶対食べて欲しいもの10選

[2024.04.18]

私は、年間約3万人の患者様を診察しています。その中でも多い相談が、糖尿病脂質異常症などの生活習慣病です。
新橋消化器内科・泌尿器科クリニックには、働き盛りの患者様が多くいらっしゃいますが、生活習慣病予備軍の方も少なくありません。
残念なことに生活習慣病の初期の段階では目立った自覚症状がないため、患者様がご自身で気づくことは難しく、健康診断などを受け、生活習慣病であることが判明し、治療を検討する方がほとんどです。

現代の医療では、生活習慣病の治療は難しいものではありませんが、私は薬に頼るだけの治療ではなく、『自力で治す』ために患者様ご自身で取り組める方法をお勧めしています。

今回の記事では、生活習慣病の中でも代表的な「糖尿病」を自力で治すために絶対食べて欲しいもの10選についてランキング形式でお話していきます。

10位:ブルーベリー

ブルーベリーに含まれるアントシアニンという成分が目にいいということは、ご存知の方も多いと思います。実は、アントシアニンは血糖値改善効果も期待されていて、イギリスのブリティッシュメディカルジャーナルで発表された論文では、『普段からブルーベリーを食べている人は糖尿病になる確率が33%少なかった』というデータがあります。

最近では、コンビニでも冷凍のブルーベリーが購入できますので日常にとり入れやすいと思います。もちろん、甘くて美味しいブルーベリーには、糖分も含まれますので、しっかり決められたカロリーを守った上で取り入れることが大前提ですが、お腹が空いたときのおやつや、食後のデザートとしてもブルーベリーが活躍しそうです。
例えば、スナック菓子などの高カロリーのおやつを食べるよりも冷凍ブルーベリーにラカントと言われる植物由来のゼロカロリーの甘味料やハチミツなどをかけておやつ代わりにすると満足度も高くおススメです。

9位:リンゴ酢(酢でも可)

リンゴ酢を食前に飲むと血糖値の上昇が緩やかになります。ミツカン社は、実際にデータをしっかりと出して、その効果を検証していますので信頼性が高く、私も食前にリンゴ酢を飲むようにしています。

食酢を料理に使用する形でも良いと思いますが、私がリンゴ酢をおススメするのは、リンゴ由来のポリフェノールを含んでいるため抗酸化作用があってアンチエイジングも期待できることと、リンゴ酢の風味によって塩分が少なめでも美味しく食べることができるという利点があるからです。

8位:桑の葉茶

桑の葉と聞いてもピンとこない方も多いかもしれませんが、ドラッグストアでは桑の葉茶は、定番商品の一つです。桑の葉が、花粉症に効果があると話題になったこともありますが、実は糖尿病の予防効果もあることが分かっています。
私たちが、食事から摂取した糖分は、食後、消化管で消化され、最終的に小腸上皮にあるαグルコシダーゼ(αGI)という酵素によってブドウ糖に分解され、その後、血中に移行するため、食後は血糖値が上がります。αGIの働きを抑えると血糖値の上昇を抑えることができます。桑の葉に含まれるデオキシノジリマイシンは、αGIの作用を抑える効果があり、食前に飲むと血糖値の上昇を緩やかにするという報告があります。
また、桑の葉は、亜鉛、カルシウムなどのミネラルや食物繊維を多く含み、便秘改善にも効果があると言われます。
便秘がちで血糖値を気にしている人は、桑の葉茶を食前や普段の水分補給に取り入れることをおすすめします。私もそうですが、ティータイムに甘い清涼飲料水を選んでしまうことがありますが、ペットボトルのミルクティーには、角砂糖11個が含まれると言われます。何気なく選んだ飲み物で想像以上に糖分を摂取している可能性がありますので、健康のために桑の葉茶を飲んでいただけると安心だと思います。

7位:ハイカカオチョコレート

ハイカカオチョコレートは、70%以上のカカオ成分を含み、少し苦味があるチョコレートですが、カカオポリフェノールによる抗酸化作用によって体のサビを取るといわれ注目されています。
ハイカカオチョコレートに関して、『カップラーメンだけを食べた時 に比べ、食後に高カカオチョコレートを食べた時のほうが血糖値の上昇を抑えることができた』という興味深い研究報告があります。
糖尿病専門の医師の中にもハイカカオチョコレートを間食として推奨している先生が多くいます。カカオが少ないチョコレートは、その分がミルクなどの脂肪分や砂糖に置き換わっているので健康的ではないことがお分かりいただけると思います。
普段の間食にポテトチップスやミルクチョコレートを食べているという方は、ハイカカオチョコレートに変えてみることをおすすめします。
間食自体は、血糖値の乱高下を防ぐためにも非常に重要です。現代社会では、仕事が忙しく、昼食と夕食の時間が長く空いてしまうという方も少なくないと思います。例えば、昼12時に食べて、夜9時に食事をする場合、空腹な状態で一気に食事をすると、急激に血糖値が上昇し、その後には、急激に血糖値が下がるという状況を招きます。こういった極端な血糖値の動きは血糖スパイクと呼ばれ、繰り返すと糖尿病に進行するリスクが高く、脳梗塞や心筋梗塞をはじめとしたさまざまな病気を引き起こす可能性があることが指摘されています。
そういったリスクを減らすためにも適度な間食は必要であり、血糖上昇が緩やかなハイカカオチョコレートは、間食に適しています。また、カカオは食物繊維も多く含みますので、おすすめの間食と言えます。

6位:トマトジュース

糖尿病の治療や予防を考えたとき、基本的には糖質入りの飲み物はNGですが、唯一、トマトジュースは推奨できます。
砂糖も塩分も加えていない無添加のトマトジュースを1日1本、飲んだ人と飲まない人を比較した研究があり、飲んでいた人の方が、糖尿病の発症率が低かったという報告があります。
その理由は、トマトに含まれる『リコピン』と『食物繊維』にあります。
リコピンの抗酸化作用と食物繊維によって糖尿病の予防効果が期待できるだけでなく、トマトジュースを飲むと健康意識が上がったり、食欲が自然と抑えられるという副次的な効果もあるのではないでしょうか。
一般的にフルーツジュースを普段から飲んでいる人では、30%ぐらい糖尿病の発症リスクが高いと言われていますので、フルーツジュースを飲む習慣がある方は、トマトジュースに変えてみることをおすすめします。
しかし、一言にトマトジュースといっても糖分を多く含む商品もあるため、選ぶポイントについて解説します。トマトジュースの容器の裏面には、成分が表記してありますので必ずチェックしてください。無添加無塩のトマトジュースは塩分がだいたい0.3〜0.2g以下、カロリーは200mlあたり20〜30kcalが目安です。それ以上だと砂糖が多く含まれ逆効果になってしまいますので、無添加無塩のものを選ぶようにしてください。

5位:舞茸

糖尿病を自力で治すためにきのこ類はどれも積極的に摂りたい食材ですが、その中でも特におすすめなのが、舞茸です。
舞茸に含まれるMD-フラクションとMX-フラクションには、食後血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの働きを助ける効果があるといわれます。
筋肉量と糖尿病には関連があり、筋肉量が増えると糖尿病の発症リスクが減少するという報告もあり、筋肉量を増やすことは非常に大切です。舞茸を積極的に食べると筋肉も増えて代謝も上がり、いいことづくめです。

4位:コーヒー

コーヒーが糖尿病予防の効果があるという研究報告は多く、国立国際医療研究センターが行ったJPHC研究では、コーヒーを飲む回数が1日3〜4杯の人は、ほとんど飲まない人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが低いという結果が出ています。
コーヒーの成分といえばカフェインが真っ先に浮かぶと思いますが、それだけではありません。コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、抗酸化作用が強いポリフェノールで体の中の炎症を取り、糖の吸収を穏やかにして血糖値の上昇を抑えるため、糖尿病の予防効果が期待されています。

実は、コーヒーには美肌、ダイエット効果など様々な健康効果があり、コーヒーを飲んでいる方が長生きするというデータも出ています。
ただし、コーヒーを飲む時は、砂糖を入れずに飲むことが大事です。

3位:イヌリン

糖尿病の予防・治療に食物繊維は重要で、特におススメなのが、食物繊維『イヌリン』です。
日本人の食物繊維の目標量は、男性21g、女性18gと言われますが、日本人の食物繊維平均摂取量は、14〜15g程度で不足しているのが現状です
イヌリンは、食物繊維の粉で水溶性なので飲みものや料理に混ぜて手軽に摂ることができます。イヌリンは、自然の甘さがあるため、コーヒーに入れるのもおすすめです。
また、最近では、朝はプロテインやゼリーなどの栄養機能食で手軽に済ますという方も増えていますが、そうすると食物繊維が不足する傾向にありますのでプロテインにイヌリンの粉を入れると補うことができると思います。

2位:納豆

植物性タンパク質の代表格、納豆は食後の血糖値の上昇を抑えるという研究報告もあり、さらに発酵食品であるため腸内環境を改善します。
また、タンパク質と血糖値には、密接な関係があり、筋肉が減少すると血糖値が高くなる傾向にありますので、筋肉を作るタンパク質の摂取が重要です。納豆は美味しい上に安価ですので日々の食事にもとり入れやすいですね。

1位:食べる順番

2位までは『絶対食べて欲しいもの』をお話してきましたが、第1位は食品ではなく、『食べる順番』です。
ベジファーストという言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、野菜→お肉→ご飯の順番で食べることで血糖値の上昇を緩やかにします。
また、最近ではミートファーストも注目され、お肉→ご飯の順番で食べることも血糖値の上昇を緩やかにすると言われます。
食事そのものを変えることはハードルが高いという人でも食べる順番を変えるだけなら手軽にできると思います。食べる順番を変えるだけで効果が目に見えて出る方もいらっしゃいますので、ぜひ試していただきたいと思います。


新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは一般内科はもちろん、眠ったままで苦痛のない胃カメラや大腸内視鏡検査(大腸カメラ)も行っております。また、CT検査も備え、詳しい検査を行うことができます。
最近急に体重が増えた、健康診断で糖尿の気があると言われた、忙しく不規則な生活が続き健康面が心配などという方は、お気軽に新橋消化器内科・泌尿器科クリニックにご相談ください。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

 

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