メニュー

胃腸炎の症状・原因(食事など)・検査・治療について

胃腸炎はどなたもほとんどの方が経験している病気です。

胃腸炎は主にウイルスや細菌による感染が原因で胃や小腸、大腸に炎症が起こる病気です。主に吐き気や嘔吐、腹痛下痢の症状があり、時に発熱や血便がみられます。

大半は対症療法で自然に治癒しますが、小児や高齢者、免疫力の低下した患者様は最悪の場合、死亡する場合があり注意が必要です。

この記事では胃腸の働きや胃腸炎の症状、原因(食事など)、検査、治療法について解説しますので参考にしていただければ幸いです。

1 そもそも胃腸とは何をするところか

胃腸は消化管の臓器で、胃から小腸、大腸と構成されています。

胃は食べ物を貯め胃酸により食べ物を消化し、小腸は胃や十二指腸から送られてきた食べ物を更に消化・分解・吸収し、大腸は小腸から送られてきた食べ物の水分を吸収し、便を作る働きがあります。

2 胃腸炎とは

胃腸炎とは何らかの原因で胃や小腸、大腸に炎症が起こる状態です。原因の大半はウイルスや細菌による感染性胃腸炎と言われています。

3 胃腸炎の現状

原因によって流行る時期は異なります。夏は湿度と温度で食事が劣化しやすいため食事による食中毒が発生しやすい状況です。

ウイルス性胃腸炎は毎年秋から冬にかけて増加する傾向にあります。

4 胃腸炎の原因・リスク

胃腸炎の原因の大半はウイルス(ノロウイルスやロタウイルスなど)や細菌(大腸菌やサルモネラ、カンピロバクターなど)の感染による感染性胃腸炎と言われています。

食事・食品中の有害なバクテリアやその産生する毒素による胃腸炎もあります。賞味期限が切れている食品などは有害な毒素を出す可能性があります。

患者様の多くは食事の影響による胃腸炎を疑って受診されます。

食事による胃腸炎(食中毒)は鶏肉、生卵、生魚、手洗いが不十分な場合の手を介した細菌やウイルスの伝播などが主なリスクファクターとされています

その他寄生虫によるものや、薬物性、アレルギー性などがあります。

5 胃腸炎の症状について

胃腸炎の症状は、吐き気や嘔吐、腹痛下痢などがあり、ときに発熱や血便(便に血液が混じる)がみられます。

嘔吐や下痢がひどいと脱水症状を起こしたりする場合があります。

6 胃腸炎の検査について

6.1 血液検査

血液検査では、炎症反応(CRP、白血球数)や腎臓の機能の値(尿素窒素、クレアチニン)、ミネラル(電解質)のバランス(ナトリウムやカリウム)を調べます。

6.2 便検査

便の一部を採取して培養することで、感染の有無の評価、病原菌の特定が可能です。

また一部のウイルス性腸炎(ノロウイルスやロタウイルス、アデノウィルス)では抗原迅速検査を行い短時間で検査することができます。

6.3腹部超音波検査・CT検査

腹部超音波検査やCT検査で腸のむくみや液体貯留など炎症の程度や範囲、腹水の有無を評価することができます。

新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは超音波検査やCT検査が可能です。詳しくは当院医師・スタッフまでお尋ねください。

6.4下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡検査)

症状が長く続く場合には、肛門から大腸内視鏡を挿入して大腸の粘膜を直接観察して炎症の程度や範囲を評価する場合があります。

漫画でわかる大腸カメラ検査
大腸内視鏡検査

また炎症の粘膜を採取する生検を行い、病理診断(顕微鏡の検査)や培養検査を行うこともできます。

新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは麻酔を使った苦しまない大腸内視鏡検査が可能です。詳しくは当院医師・スタッフまでお尋ねください。

7 胃腸炎の治療について

感染性胃腸炎の場合、大半は安静、水分補給などの対症療法により1週間以内に自然に改善します。

内服治療に関しては整腸剤を使用したり、吐き気が強い場合には吐き気止めを使用したり、発熱や血便がみられる場合には抗生剤を使用する場合があります。

寄生虫の場合は内視鏡による摘出が必要になったり、駆虫薬(虫下しの薬)が必要になったりする場合があります。

8 胃腸炎の予防について

感染性胃腸炎の予防は、普段から食事や料理前、トイレ後などに手洗いをこまめに行うことが大切です。

また感染した患者さんの便や嘔吐物を処理した際には次亜塩素酸ナトリウムなどによる消毒をすることが大切です。

9 胃腸炎を放置すると

胃腸炎の大半は対症療法により自然に改善します。

しかし小児や高齢者、免疫力の低下した患者様は、脱水症や腎機能の障害、その他の合併症により最悪の場合、死亡する場合があり注意が必要です。

10 胃腸炎の患者様の経過の例

10.1 28歳男性

2日前からの吐き気、嘔吐、腹痛、下痢がみられたため、当院を受診された。血液検査では炎症反応はごく軽度上昇していた。

腹部超音波検査・CTや検査では小腸から大腸にかけて液体貯留の所見がみられた。ウイルス性腸炎の診断で、飲水励行、整腸剤処方し経過観察の方針とした。

なお便培養検査では細菌は検出されなかった。3日ほどで症状は軽快した。

10.2 40歳女性

5日前に生焼けの鶏肉を摂取した。1日前からの嘔吐、腹痛下痢、38℃台の発熱を認めたため、当院を受診された。

血液検査では炎症反応の上昇を認めた。腹部CT検査では右側の大腸の壁肥厚の所見を認めた。感染性腸炎の診断で、飲水励行、整腸剤処方し、かつ発熱症状もみられたことから抗生剤も処方とした。

後日便培養検査でカンピロバクターが検出された。1週間ほどで症状は軽快した。

11 胃腸炎の症状かなと思ったら

吐き気や嘔吐、腹痛、下痢、発熱、血便(便に血液が混じる)などに気づかれた方は、必ず一度消化器内科を受診しましょう。

新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは、胃腸炎の適切な検査(CT検査、腹部超音波検査)、診断が行えます。治療が必要な場合は適切な病院へご紹介いたします。

詳しくは当院医師、スタッフまでお気軽にお尋ねください。

12 診療費用

当院は全て保険診療です。初診の診療費用は薬代を除き、おおよそ下記のようになります。(3割負担)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
尿流量動態検査 1500円
膀胱鏡検査 3000円
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

※3割負担の場合

この記事を執筆した人
久田裕也
医師 久田裕也

名古屋大学出身
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
内科認定医
肝臓、胆嚢、膵臓から胃カメラ、大腸カメラまで消化器疾患を中心に幅広く診療を行っている。

新橋院

大宮院

池袋院

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME