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クラミジア感染症の症状・感染経路・検査・治療について

はじめに

クラミジア感染症とはクラミジアトラコマティスという細菌に感染することが原因で引き起こされる様々な感染症です。

クラミジアトラコマティスはトラコーマという結膜炎の原因となる細菌で、失明の原因菌のうちのひとつですが、眼瞼結膜と同じ円柱上皮がある尿道や子宮頸管、咽頭にも感染します。

今回は、当院の専門でもある泌尿器科分野の性病の一つである「性器に感染する性器クラミジア」にスポットを当ててお話しさせていただきます。

また当院では保険診療でクラミジアの検査治療を行っております。

1クラミジアの感染経路

クラミジア感染症は性行為により粘膜を介してクラミジアトラコマティスが感染することで起こります。そのため、尿道、膣、肛門、咽頭に感染する恐れがあります。

また、クラミジアに感染している女性が治療をしないまま出産を迎えると、赤ちゃんにも感染してしまう恐れがあります。(母子感染)赤ちゃんに感染すると結膜炎を起こし、最悪の場合は失明する恐れもあります。

2クラミジアの症状

クラミジアに感染した場合、下記のような症状が現れます。

男性 女性
排尿時痛 おりものの増加
尿道の違和感 不正出血
尿道の痒み 性交痛
尿道からの分泌物 下腹部痛
咽頭痛 咽頭痛

個人差はありますが、これらの症状は認められても軽度なことが多く、症状に気付かない方も多いのが現状です。

これを裏付けるものとして「症状のない20歳代の男性におけるスクリーニング検査」では、クラミジアに感染している率は4〜9%という報告があり、妊婦健診においても「正常な妊婦の3〜5%に無症状のクラミジア感染が認められた」という調査も発表されています。

実際にクラミジアに感染しても男性で約5割、女性で約8割もの方が無症状で経過すると言われています。

また、クラミジアに感染してもすぐに症状が出るわけではなく、感染機会から1〜3週間後に発症するとされています。

しかし、症状のない潜伏期間中にもパートナーに感染させてしまう可能性が十分あるというのがクラミジアの厄介なところです。

3不妊の原因となるクラミジア

クラミジアは男性、女性ともに不妊の原因となります。

3-1男性不妊

クラミジアに感染したまま放置すると、菌が尿道から精管、精巣上体へと到達してしまう上行感染を引き起こす恐れがあります。

精巣上体は精子の成熟と輸送を行う場所ですので、精巣上体炎を起こすと精子の数や運動能力に影響を及ぼす「造精機能障害」、精子の通り道を塞ぐ「精路通過障害」などを起こすため、不妊の原因の一因となります。

3-2女性不妊

女性の場合もクラミジア感染を放置すると子宮・卵巣への上行感染を引き起こします。

上行感染により卵巣や卵管の炎症が起き、治った後の後遺症として卵子の通過障害や受精卵の通過障害を起こしたり、排卵された卵子を卵管の中にうまく取り込めないピックアップ障害を起こしたりする可能性があり、不妊の原因の一因となります。

4クラミジアの検査

尿道や膣にクラミジアを疑う症状がある場合の検査は男性では尿検査、女性では膣から綿棒を入れて粘膜を拭う検査をします。

また、咽頭にクラミジアを疑う症状がある場合の検査はうがい液の検査をします。

尿検査、拭い検査、うがい検査ともにPCR法での検査のため、ごく微量な細菌量であっても検出することができ、結果は2〜3日で出ます。

*クラミジアの検査は男性・女性ともに当院で保険診療で行っております。

5クラミジアの治療

クラミジアの治療はマクロライド系やニューキノロン系の抗生物質の内服です。

推奨されている主なお薬の種類と服用方法は下記となります。

アジスロマイシン 1回1000mgを1日のみ
クラリスロマイシン 1回200mgを1日2回7日間
レボフロキサシン 1回500mgを1日1回7日間
トスフロキサシン 1回150mgを1日2回7日間
シタフロキサシン 1回100mgを1日2回7日間

当院では保険診療でマクロライド系のアジスロマイシンという飲み薬を処方しています。アジスロマイシンは1度に4錠(1000mg)を1回だけ飲めば治療が終了するお薬です。

アジスロマイシンは半減期(血中濃度がおよそ半分になる時期)が⻑く、⻑時間体の中で作用し、副作用も少ないという利点があります。

それ以外のお薬が処方された場合、決められた日数しっかり飲み切るということが大切になります。

服用を始めると症状がなくなるため、途中で飲むのをやめてしまう方がいらっしゃいますが、飲みきることが完治へと繋がります。

また、治療中は菌がまだ残っており、パートナーに感染させてしまう恐れがありますので、性行為はこの後で述べる陰性確認で陰性を確認してからにしましょう。

6陰性確認

内服終了後、2〜3週間後に、治療によって完治したかを確認します。

時々、1週間程度で陰性確認に来る方がいらっしゃいますが、治療が成功していても結果が陽性と出てしまうことも考えられますので、正しい結果を確認するためには内服終了後2〜3週間後ということが推奨されています。

7パートナーの検査、治療の重要性

クラミジアが陽性となった場合、パートナーも検査を行い、必要に応じ治療をすることが大切です。クラミジアの感染力は強く、高い割合でパートナーも感染していることがあります。

カップルの場合、どちらかだけが治療をして完治しても、性行為を通じてパートナーからまた感染してしまいます。これを「ピンポン感染」をいい、いつまでも完治しないケースもあります。そのため、パートナーの理解と協力が必要となります。

8クラミジアの予防

クラミジアに限らず、性感染症の予防には正しいコンドームの使用が必須となります。また、咽頭からも感染するため口を使った性行為にも注意が必要です。

また、性行為のあとはシャワーで綺麗に洗い流す、尿をして菌を洗い流す、うがいをして菌を洗い流すということも予防に繋がります。

9他の性感染症との同時感染

クラミジアなどの性感染症に感染していると粘膜が炎症を起こして弱くなり、他の性感染症にかかりやすくなります。

淋菌性尿道炎の患者様のクラミジア合併頻度は20〜30%と言われており、これらの理由からHIVに感染する確率も3倍から4倍も高くなってしまいます。

10まとめ

クラミジアは治療して完治しても、何度でも感染してしまいます。自分の行動に責任を持つことはもちろん大切ですが、それでも感染するリスクを完全にゼロにすることは難しいのかもしれません。

そのため早期発見、早期治療が何より大切になります。

新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは保険診療でのクラミジアをはじめとした性感染症の検査、診断、治療が可能です。今まで多くの患者様を診療してきた泌尿器科専門医が担当させていただきます。

当院は受付から会計まで患者様をお名前ではなく、番号でお呼びしております。パーテーションを設けた待合室もございますので、他の方の目を気にせずお過ごし頂けます。

クラミジアを疑う症状のある方は新橋消化器内科・泌尿器科クリニックまでどんなことでもお気軽にご相談ください。

11診療費用

(※3割負担の場合)

クラミジア淋菌の検査・治療費用 3000円~4000円
梅毒の検査・治療費用 3000円~4000円
尖圭コンジローマの検査・治療費用 薬治療 1000円~2000円
電気メスによる切除 4000円~6000円
トリコモナスの検査治療費用 3000円~4000円
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査費用 自費検査 9000円

HIV感染症の検査費用

自費検査

4400円
性器ヘルペスの検査・治療費用 3000~5000円
淋病の検査・治療費用 3000~4000円
この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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