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胆嚢ポリープの原因・症状・検査・治療について

人間ドックや健康診断で「胆嚢ポリープ」と指摘される方が増えてきました。
超音波検査の普及によって発見率が高まったこともありますが、欧米型の食生活も大きな原因のひとつです。
胆嚢ポリープとはどんな病気なのでしょうか?
こちらのページでは胆嚢ポリープの症状・原因・検査・治療について消化器内科専門医が詳しく解説します。

1・胆嚢ポリープとは?

胆嚢は肝臓の下に位置する長さ約8㎝ほどのなすび型をした臓器です。
胆嚢は肝臓で作られた胆汁を貯めて、水分を吸収して濃縮させます。
濃縮された胆汁は食事によって脂肪酸が入ってくると、胆管を通して十二指腸まで送られます。
つまり胆嚢は胆汁の一時貯蔵庫の役割をしているのです。

胆嚢ポリープは胆嚢の粘膜や内側にできる 10 ㎜以下の突起物のことを言います。
胆嚢ポリープで一番多く見られるのがコレステロールポリープという非腫瘍性ポリープと呼ばれるものです。
コレステロールポリープは良性のポリープで癌化しません。
コレステロールエステルいう胆汁の中に含まれる物質が胆嚢の粘膜に付着することで出来ます。
胆嚢ポリープのおよそ 90%がこれに該当するので、胆嚢ポリープと診断されても大半の方は特別な治療はせず、経過観察となります。

その他良性ポリープには過形成ポリープ、炎症性ポリープ、腺腫性ポリープがあります。
治療が必要なポリープは腫瘍性ポリープという胆嚢がんの可能性があるものです。
60歳以上の高齢の方で、ポリープが 10 ㎜以上と大きく、茎が広がっている広基性の場合や、胆嚢壁が厚い場合は悪性のポリープの可能性が高いです。
またポリープが以前よりも大きくなってきた場合も注意が必要です。
悪性の可能性が見られる場合には精密な検査をし、その結果に準じて治療をします。

2・胆嚢ポリープの症状

胆嚢ポリープは良性でも悪性でも自覚症状がないのが特徴で、ほとんどの方は人間ドックや定期健診の超音波検査で見つかります。
中には他の病気の検査で CT や MRI を撮った時に偶然見つかるということもあります。
ポリープのある場所や大きさによっては腹痛などの症状が出ることもあります。

3・胆嚢ポリープの原因

胆嚢ポリープの明確な原因はよく分かっていないのですが、脂質異常症、肥満、糖尿病などの生活習慣病がリスク要因とも報告されています。
また、炎症性ポリープは慢性胆嚢炎の方に多く見られる良性のポリープです。
何れにしても食の欧米化により動物性脂肪や乳製品、小麦などを多く摂取することが胆嚢ポリープを作りやすくしてしまう原因になっているとも言えます。

4・胆嚢ポリープの検査

胆嚢ポリープの検査は腹部超音波検査によって、ポリープの大きさや数、場所を調べます。
腹部超音波検査は痛みもなく体に負担のかからない優しい検査です。
肝機能の状態や腫瘍マーカーを確認するために血液検査を補助的な検査として行う場合もあります。

ポリープが大きい場合や形に異常がある場合はさらに詳しく調べる必要があるので、超音波内視鏡検査、CT 検査、MRI 検査を行います。

5・胆嚢ポリープの治療

胆嚢ポリープは胃ポリープ大腸ポリープのようにポリープだけを取り除くということができません。
ポリープが明らかに良性のものである場合は経過観察をし、半年から1年に 1 度、画像検査を行いポリープが大きくなっていないか、形に変化はないかを確認していきます。

悪性のポリープの可能性が高い場合には手術をして胆嚢を丸ごと摘出します。
手術は腹腔鏡下手術と開腹手術があり、ポリープが肝臓近くにある、あるいは明らかに浸透して広がっている場合には開腹での摘出手術となります。

胆嚢ポリープの治療で重要なことは、悪性ではないかを確認することです。
また、良性であっても時間の経過とともにポリープが変異するようであれば迅速に対応しなければなりません。
そのため、胆嚢ポリープが見つかった方は定期的に消化器専門医のいるクリニックに受診、検査することが大切です。

新橋消化器内科泌尿器科クリニックでは胆嚢ポリープの適切な診断・検査が可能となっております。

お気軽に当院までお越しください。

この記事を執筆した人
久田裕也
医師 久田裕也

名古屋大学出身
消化器病学会専門医
消化器内視鏡学会専門医
内科認定医
肝臓、胆嚢、膵臓から胃カメラ、大腸カメラまで消化器疾患を中心に幅広く診療を行っている。

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