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高血圧症の症状・原因・食事・検査・治療について

最近では、公共施設や会社、ジムなど様々な場所に血圧計が設置してあり、一度は、ご自身で血圧を測定したことがあるのではないでしょうか?

数値を見て『もしかして血圧高い?』と思っても『特に不調もないし…』とそのまま放置しているという方も少なくないようです。

しかし、高血圧は糖尿病脂質異常症と並んで、「サイレントキラー」とも呼ばれ、ある日突然、心疾患や脳卒中などを引き起こし、命を脅かす可能性がある怖い疾患です。この記事では、高血圧について詳しく解説させていただきますので参考にしていただけると幸いです。

1.高血圧とは

日本人にとって国民病とも言われる高血圧は、約4,300万人もの患者様がいると推定されます。しかし、高血圧でどういった症状がおきるかというとピンとこない方が多いと思いますので、まず最初に『血圧とはなにか』ということからお話しさせていただきます。

1.1血圧とは

血圧とは、心臓から血液が送り出され全身 へと流れていく際に動脈の内壁にかかる圧力のことです。心臓が血液を送り出すために心臓の筋肉をギュッと収縮させた時の圧力を「最高血圧(収縮期血圧)」と言い、心臓の筋肉が最も広がった時の圧力のことを「最低血圧(拡張期血圧)」といいます。

1日の中でも血圧は変動し、活動する日中は高く、夜間や睡眠中の血圧は低い傾向にあります。 血圧に影響する因子は多く、運動、食事、排泄、年齢や性別、気温、 緊張、健康状態などによっても変動します。

1.2 高血圧とは

血圧の上、下という言葉を聞いたことがあると思いますが、最高血圧(収縮期血圧)が『上の血圧』、最低血圧(拡張期血圧)が『下の血圧』と呼ばれています。血圧は緊張時には高くなる傾向にあり、診察時の測定と自宅での測定では血圧が異なるのが普通です。

高血圧の基準としては、診察時の血圧が上140mmHg/下90mmHg未満、自宅での血圧が上135mmHg/下85mmHg未満が正常であり、最高血圧(上)もしくは最低血圧(下)のどちらか、あるいは両方が正常値を上回ると、高血圧が疑われます。

1.3高血圧の症状

血圧が高い状態が続くと心臓は強く収縮し、血液をどんどん送り出すため血液の流れが早くなります。それに伴い、動悸や頭痛、肩こり、めまいなどが起きることがあります。

しかし、こういった症状は、血圧以外の原因でも起こりうるため、高血圧による症状とは気付かないことが多く、体調の変化から高血圧に気づくことは難しいといえます。

しかし、血圧が高い状態を放置してしまうと血管内が傷付きやすくなり、下記のような命に関わる合併症を引き起こすリスクがあります。

①脳出血 ・くも膜下出血 ・眼底出血

高血圧によって血管の弱い部分や細い血管に圧がかかり、血管が破れ出血することが原因で起こります。

②脳梗塞 ・心筋梗塞 ・狭心症

高血圧が続くと、血管が硬くなる動脈硬化が起きます。動脈硬化が起こると、血液の流れが悪くなり、血栓(血液の塊)が出来やすくなります。

さらに症状が悪化し、血栓が血管をふさいでしまうと血流が途絶え、組織が死んでしまうことが原因で起こります。

③解離性大動脈

血管内の血液の圧力で、硬くなった大動脈の内側が傷つき、縦に裂けることが原因で起こります。

すぐに適切な検査や治療をしないと死に至る病気です。

④腎不全

腎臓の細かい血管に圧がかかり目詰まりを起こし、尿を作れなくなることが原因で起こります。

2.高血圧の原因

高血圧には、本態性高血圧と二次性高血圧の2つのタイプがあります。それぞれについて詳しく説明していきます。

2.1本態性高血圧

高血圧の90%前後の方がこの本態性高血圧で、基礎疾患などもなく、原因が明らかでない高血圧をいいます。本態性高血圧は、生活習慣病の一つであり、様々な因子が原因となっていることが多く、環境因子が4割、遺伝因子が6割と言われます。

具体的には喫煙・環境・生活習慣・体質・遺伝・ストレス・過労・肥満・アルコール・運動不足・加齢による血管の老化などが原因となります。

40代頃から血圧が高めになる方が多い傾向にありますが、健診などで指摘されても自覚症状がないため放置し、合併症を起こしてしまうケースも少なくありません。40代になったらご自宅で血圧を測定し、ご自身の血圧を把握することが望ましいと言えます。

本態性高血圧の場合には、医師の指導のもと生活習慣や食事の見直しを行い、改善がない場合には薬による治療を検討します。

2.2二次性高血圧

血圧に関連するホルモンの異常や心臓・腎臓・血管の疾患、薬剤性の影響など、はっきりと原因が特定できる高血圧をいいます。

二次性高血圧を引き起こす代表的な疾患は、腎性高血圧症、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症などがあり、高血圧症の全体の1割を占めると言われます。

二次性高血圧症の場合には、手術や薬剤による治療を行います。

3.高血圧の検査

高血圧の診断基準は、診察時の血圧値が、収縮期血圧(上)140mmHg以上または拡張期血圧(下)90mmHg以上(140/90mmHg以上)、自宅での血圧が、上135mmHg以上または下85mmHg以上(135/85mmHg以上)が高血圧とされ、診察時と自宅で測定した血圧の両方を見ます。また、必要に応じて他の検査も行います。

3.1診察時の血圧測定

血圧計で血圧を測定します。測定前に深呼吸をしていただき、リラックスした状態で測定します。しかし、診察時の血圧測定では、緊張から血圧が高くなる傾向にあるため複数回の血圧測定を行います。また、診察室での血圧測定は1日だけではなく別の日にも行い、診断します。

3.2自宅での血圧測定

家庭用の血圧測定器を使用していただき1日2回、5〜7日間、血圧を測定します。1日2回のタイミングは起床後と就寝前です。

起床後は、起床後1時間以内、トイレを済ませ、服薬・食事前に測定し、就寝前は、入浴後1時間以上経過した就寝前に測定します。

また、医師の判断によっては、特殊な機器をつけて24時間継続して血圧測定を行う場合もあります。この場合、30分 ~1時間ごとに血圧が測定されるような仕組みになっています。

血圧測定は、高血圧の基本の検査となり、他の疾患が原因となる二次性高血圧症の場合には必要に応じて血液検査、尿検査、心電図、胸部レントゲンなどを行います。

4.高血圧の治療

当院での高血圧の治療は、十分な問診と検査を行い、合併症がない場合には、食事療法や運動療法を行います。1~3か月程度経過を見て、血圧がコントロールできなければ薬物治療を並行して行います。また糖尿病脂質異常症を合併している場合も多く、そちらの検査・治療が必要になる場合も多くあります。

4.1食事療法

一汁三菜を心がけ、バランスの良い食事を取ることが高血圧の治療につながります。香辛料やレモン汁などを使い、調味料にも注意し、塩分を1日6gに抑えることが推奨されます。

4.2運動療法

高血圧の改善には有酸素運動がおすすめです。有酸素運動とは、負荷が少なく長時間続けられる運動のことでウォーキングやジョギング、水泳、水中ウォーキング、サイクリングなどがあります。

1日30分程度の有酸素運動を行うことが効果的です。短い時間から始め、時間を伸ばしていくと習慣化しやすいでしょう。

4.3薬物療法

食事療法や運動療法だけでは効果が見られない場合は、薬物治療が必要となります。血圧を下げる『降圧剤』を服用しますが、降圧剤には様々な種類があり、症状に適した降圧剤を服用します。二次性高血圧の場合には、原因となる疾患の治療を行いながら血圧をコントロールしていきます。

5.高血圧の予防

生活習慣を見直し、改善することで高血圧を予防することができます。

5.1食事

日本の食生活は、塩分が多い傾向にあります。伝統食とも言える梅干しは、1個に約2グラムの塩分を含みます。

また、味噌汁一杯も約2グラムの塩分を含みます。塩分を摂りすぎると、血液中の水分が増えるという現象が起き、血圧が高くなります。
高血圧の食事療法では、一日の塩分摂取量を6グラム以内にすることが推奨されています。

5.2飲酒は適量を

過度の飲酒は血圧を上昇させるだけではなく、中性脂肪を増やし、動脈硬化のリスクを高めますので飲酒は適量を心がけてください。

5.3適正体重

肥満になると高血圧を発症するリスクが2~3倍も高くなると言われています。一般にBMI(body mass index:身長と体重のバランスの数値)が25以上が肥満症となりますので、肥満予防のためにも適度な運動を心がけることが有効であり、脂肪燃焼効果のある有酸素運動を毎日30分以上行うことが望ましいと言われます。

5.4睡眠

睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、血圧が乱れる原因になります。十分な睡眠は血圧安定に欠かせません。

5.5ストレス

ストレスを感じたり緊張状態が続くとホルモンのバランスが崩れるため、血管が収縮し、心拍数が増加します。その結果、血圧が上昇してしまいます。ストレスには身体的なストレス、精神的なストレスがありますが、どちらも同じく血圧を上昇させます。お仕事等で体に疲れを感じた時は、積極的に気分転換を図ったり、休憩する時間を作りましょう。

5.6禁煙

タバコに含まれるニコチンには、末梢血管を収縮させ、血圧を上昇させる作用がありますので、禁煙することが必要です。

6.診療費用

当院は全て保険診療です。
初診の診療費用は薬代を除き、およそ下記のようになります。(3割負担)

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
尿流量動態検査 1500円
膀胱鏡検査 3000円
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

※3割負担の場合

当院では、患者さん全員を番号でお呼びし、全席に仕切りを設けてプライバシーに配慮した診療を行なっております。健康診断で高血圧を指摘された方やスポーツジムなどで自己測定した際に血圧が高いという方は、新橋消化器内科・泌尿器科クリニックまでご相談ください。当院では、専門医が患者様に寄り添う診療を心がけておりますので予防から治療まで幅広くご相談いただけます。

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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