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慢性前立腺炎・急性前立腺炎の原因、症状、検査、治療について

皆様、前立腺炎と聞くと、どのような状態を思い浮かべるでしょうか。

発熱する、排尿時に痛みが出る、股間が痛くなる、足に痺れや痛みが出る、など印象は様々だと思います。

前立腺炎には急性前立腺炎と慢性前立腺炎があり、前立腺炎で悩んでいる方の多くは慢性前立腺炎です。慢性前立腺炎と急性前立腺炎は、症状も原因も全く異なります。

この記事では、慢性前立腺炎と急性前立腺炎について、泌尿器科専門医がわかりやすく説明させていただきます。前立腺炎でお悩みの方は非常に多いですので、こちらの記事を読んでいただき、参考にしていただけると幸いです。

1前立腺とは

前立腺とは、膀胱に隣接し、くるみ大の臓器で尿道の一部を形成しています。前立腺の役割は前立腺液を作ることです。

前立腺液は精液の一部となり、精子の運動を滑らかにする役割があります。
前立腺としての役割はわずかなのに、前立腺肥大となったり、前立腺がんとなったりするため、非常に憎たらしい臓器といえます。

2慢性前立腺炎の症状

慢性前立腺炎とは、慢性的に(長期間続く)、前立腺に炎症(感染や損傷があり、免疫が反応している)があるということです。

慢性前立腺炎は基本的に発熱を伴いません。
慢性前立腺炎の症状を下記に挙げてみます。

  • 下腹部の痛み、下半身の痛み・しびれ、臀部の痛み
  • 頻尿、排尿時の痛み、残尿感
  • 陰茎の違和感、陰嚢の違和感、性交時の痛み、射精時の痛み、疲労感

このように様々な症状があります。慢性前立腺炎は経過が長いことが多く、半年や1年以上もの間、悩んでいる方もいらっしゃいます

我々のクリニックグループにも多くの患者様が受診されており、多くのケースを診察させていただいていますので、慢性前立腺炎でお悩みの方はお気軽に新橋消化器内科・泌尿器科クリニックまでご受診下さい。

3慢性前立腺炎の原因

慢性前立腺炎の原因は、未だはっきりと解明されておりませんが、下記のようなことが原因として考えられています。

  • 慢性的な(長期間続く)感染
  • 免疫の異常(自分の体が自分自身を攻撃していること)

4 急性前立腺炎の症状

急性前立腺炎とは、急に前立腺に炎症が起きるということです。この場合の炎症は細菌感染です。

尿道を通じて外部から細菌が入り、前立腺に感染します。
前立腺に炎症が起きることで、強い排尿時痛、頻尿、残尿感、発熱が起こります

急性前立腺炎は、治療が遅れると入院の必要があったり、最悪の場合には感染が広がって、命に関わったりする場合もあります。

5急性前立腺炎の原因

急性前立腺炎の原因としては、大腸菌が最も多く、尿道から肛門が近いことで、大腸からの細菌が尿道を通じて前立腺に感染することで起こります。

最近では性病の1つであるクラミジアによる急性前立腺炎も増えています。

また、急性前立腺炎には、前立腺肥大症が原因として合併していることが多く、前立腺肥大症の治療が必要になる場合も多くあります。

6前立腺炎の検査について

6.1尿検査

尿検査では、尿の中に白血球(炎症反応)がないか、赤血球(血液)が混じっていないか、細菌が入っていないかなどを調べます。

急性前立腺炎では、尿の中に白血球や細菌感染を認めますが、慢性前立腺炎では尿の中に異常を認めないことがほとんどです。

尿検査は簡単にできる検査にも関わらず、泌尿器科の分野では得られる情報の多いとても重要な検査となっています。

6.2採血検査

採血検査では、炎症反応(白血球、CRP)が上昇していないか、腎臓の機能は正常か、前立腺がんマーカーであるPSAという数値が上昇していないかなどを調べます。

急性前立腺炎では、炎症反応の上昇が見られ、PSAの数値も上昇します。
一方、慢性前立腺炎は採血検査で異常を認める事はほとんどありません。

6.3超音波検査

超音波検査では、前立腺が肥大していないか、前立腺が腫れていないか、前立腺に炎症がないかなどを確認します。

慢性前立腺炎では超音波検査で大きな異常は見られませんが、急性前立腺炎では、前立腺が腫れたり、肥大したりする所見が認められることがあります。

6.4CT検査

CT検査は前立腺炎の確定診断には使いませんが、前立腺炎があった場合に、身体の他の部分に大きな異常がないかを確認する場合に使うことがあります。

CT検査はお腹の中や胸の中のことが詳細に分かるとても優秀な検査です。当院でもCT検査を行っておりますので、詳しくは、当院医師スタッフまでお尋ねください。

7慢性前立腺炎の治療

慢性前立腺炎の治療は、もし尿に細菌が混じっていて、細菌感染が疑われる場合は抗生剤の投与を行いますが、基本的には漢方薬前立腺肥大症の薬を内服します。

患者さんにぴったり合うお薬が初回で処方できれば良いのですが、必ずしも1度で合う薬が見つかるとは限りません。

もし症状が改善しない場合は、お薬の種類を変え、根気強く治療を継続していくことが大切となります。

我々のクリニックグループにも慢性前立腺炎で悩む多くの患者様がいらっしゃいます。ご不安な事やご質問は当院医師スタッフまでお気軽にお尋ねください。

8急性前立腺炎の治療

急性前立腺炎の治療は、抗生剤の投与を1〜2週間します。炎症反応が大きい場合は、入院が必要になるケースもあります。

また、前立腺肥大症を合併している場合は、急性前立腺炎を繰り返してしまう可能性があるので、合わせて前立腺肥大症の治療も行います。

9 前立腺炎かなと思ったら

排尿時の痛みや、頻尿、残尿感、会陰部の痛み、陰部の違和感、下半身のしびれ、痛みなど慢性前立腺炎や急性前立腺炎を疑うような症状がある場合は、必ず泌尿器科を受診しましょう。

放置することは炎症を広げる恐れがありますので、とても危険です。

新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは、慢性前立腺炎、急性前立腺炎の適切な検査、診断、治療が可能です。
詳しくは、当院医師スタッフまでお尋ねください。

10 診療費用

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
尿流量動態検査 1500円
膀胱鏡検査 3000円
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

※3割負担の場合

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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