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PSA検査とは。検査の費用・健診について(前立腺がん早期発見のために)

このページを見ている皆様は、PSAの値や前立腺についてどこかで指摘をされたのではないでしょうか。
健診や人間ドックでPSAが高いと指摘された、親族に前立腺がんの患者様がいる、最近おしっこの出が悪いので調べてみたらPSAが関係していると書いてあった、など様々だと思います。

このページではPSAの検査費用や、PSAが高いと言われたときにどうすればいいかなど最新の泌尿器科のガイドラインに基づいて詳しく説明していきます。
皆様のPSAについての理解の助けになれば幸いです。

1 PSA

1.1 PSAとは

PSAとは、Prostate specific antigen(前立腺特異抗原)の略です。
PSAは前立腺の中にある特殊な酵素、タンパク質で、身体の中で前立腺にしか含まれておりません。
前立腺がんに含まれる物質ではなく、前立腺の中に含まれる酵素、タンパク質となります。ですので、正常の前立腺の中にも、PSAは含まれております。

ですが、前立腺がんがあったり、前立腺肥大症があったり、前立腺炎があったりすることで、前立腺の組織が損傷し、血管が壊れ、前立腺内のPSAが血液中に漏れ出てきます。
そうするとPSAの血中濃度が上がり、健診や人間ドック等で引っかかってしまうということになるのです。

1.2 PSAの基準値

PSAの基準値は4.0ng/mlです。
PSAの値が4 ng/ml以上になると、検診や人間ドックで要精密検査の判定が出ることになります。
PSAが4 ng/ml以下の方に、「絶対に前立腺がんが無い」とは言えないのですが、基本的には4 ng/ml以上の方に精密検査をすることになっています。

1.3 PSAと前立腺がん

PSAは前立腺がんのマーカーです。
前立腺がんは現在、男性の罹患数(かかっている人の数)が1番多い癌です。
原因である食の欧米化や高齢化、PSA検査の普及などに伴って日本人の前立腺がんは年々増えていっております。

また、親族に前立腺がんの患者様がいる方は、前立腺がんになる確率が5倍上昇します。
親族の方で、前立腺がんの方がいる場合は、早期発見のために、40歳以上から定期的にPSA検査をすることが大切となってきます。

2 PSAが上がる原因

2.1 前立腺がん

前立腺に癌ができると、癌が前立腺の中で増殖していきます。
癌はその過程で血管を新しく作る血管新生ということをします。
新しく癌が作った血管というのは非常に脆いので、壊れやすいのです。
ですので、ちょっとした衝撃や排尿の刺激で血管が破れて出血してしまいます。

その際に前立腺の中のPSAが血液中に漏れ出てくるため、前立腺がんがあると血中のPSA濃度が上昇します。
基本的にはPSAの値が高くなればなるほど、前立腺がんが進行していると考えられます。

2.2 前立腺肥大症

前立腺肥大のイメージ図

前立腺肥大症でもPSAの値は上昇します。
前立腺肥大症は前立腺が肥大し、大きくなっていく病気です。
前立腺が大きくなることで尿道を圧迫し、おしっこの勢いが悪くなったり、頻尿(おしっこの回数が多くなる)になったり、おしっこが出なくなったりする(尿閉)方もいらっしゃいます。

前立腺が大きくなることで、前立腺の血管も太く大きくなり、出血しやすい状態が起こります。
そうすると前立腺の中のPSAが血液中に漏れ出てくるため、前立腺肥大症の方はPSAの値が必然的に高くなってしまいます。

2.3 前立腺炎

前立腺炎には急性細菌性前立腺炎と慢性前立腺炎があります。
特に急性細菌性前立腺炎ではPSAの値が大きく上がります。
急性細菌性前立腺炎は、前立腺の中に細菌感染を起こし、大きな炎症をきたします。
そうなると、前立腺の組織が壊れ、血管も破れるため、前立腺内のPSAが血液中に大量に漏れ出てきます。
急性細菌性前立腺炎の治療は抗生物質の投与になります。

慢性的に前立腺に炎症を起こしている慢性前立腺炎に対する治療は、抗生物質や漢方薬の治療になります。

3 PSAはどこで検査するのか(PSA検査の費用は)

3.1 人間ドック

基本的には人間ドックの項目にPSAは含まれておりませんが、人間ドックで、前立腺がんのマーカーであるPSAの検査をオプションでつけることができます。
PSAの検査は採血検査になります。
保険適応にはならず費用はおよそ4000円~6000円位の間です

3.2 市の健診、区の健診など

市の健診や区の健診のような自治体の健診でも、PSA検査(前立腺がんマーカー)を行うことも可能です。
費用は自治体にもよりますが、500円から2000円以内となります。

3.3 泌尿器科を受診し、保険診療で検査

おしっこの勢いが悪かったり、おしっこの回数が多くなったり(頻尿)、健診でPSAが高いと指摘されたり、何かしら泌尿器科的な症状がある場合は、保険診療でPSAの検査をすることができます。
泌尿器科では腹部の超音波検査や尿の勢いを測る検査を同時に行うことが大切です。
PSA検査のみの検査代金は3割の保険適用で300~500円程度となります。

時間をあけてPSAの再検査を行うことで、PSAの値が基準値の4.0ng/ml 以下に下がっている方も非常に多いです。
PSAが高いからといって必ず前立腺がんにつながっているわけではありません。
ご本人の安心のためにも泌尿器科の受診をすることが大切です。

4 PSAが高いまま放置するとどうなるか

健診や人間ドックでPSAが高いと指摘された場合、それを放置する方も多くいらっしゃいます。
中には3年や5年放置した後に泌尿器科を受診されるという方もいらっしゃいます。

早期に治療すれば寿命に影響しなかったり、手術が必要なかったりする場合もありますが、PSAが高いまま放置することで、前立腺がん前立腺肥大症が進行してしまい、大きな手術が必要になったり、生命予後に関係する場合も出てきてしまいます。

5 PSAが高いと指摘されたら

必ず泌尿器科を受診しましょう。
泌尿器科で超音波検査や再度PSAを測定することで適切な診断治療に繋がります。
新橋消化器内科・泌尿器科クリニックではPSAに対する適切な検査、診断、治療が可能です。
詳しくはお気軽に当院医師スタッフまでお尋ねください。

6 診療費用

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
尿流量動態検査 1500円
膀胱鏡検査 3000円
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

※3割負担の場合

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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