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血尿(尿に血が混じる)の原因・症状・検査・治療について

1.血尿とは

血尿と聞いてどのようなことを想像するでしょうか。尿に血が混じったり、検診で指摘されるなど様々だと思います。

血尿には非常に怖い病気も隠れています。この記事を読んで、皆様の安心感に繋がったり、もし必要な場合は、泌尿器科の受診に繋がれば幸いです。

2.血尿の症状と種類について

  1. 肉眼的血尿:肉眼的血尿とは目に見える血尿で、尿が出るときに血液が混じることを指します。目に見える血尿なので肉眼的血尿と呼びます。肉眼的血尿には怖い病気が隠れていることが多くあります。
  2. 顕微鏡的血尿:顕微鏡的血尿は顕微鏡でみた時に初めてわかる血尿のことです。検診や人間ドックなどで指摘されて初めて分かります。顕微鏡的血尿にはあまり大きな怖い病気が隠れている事は少ないですが、稀に怖い病気が隠れている場合があります。検診や人間ドックなどで血尿(尿潜血)を指摘された場合は必ず泌尿器科を受診しましょう

3.血尿の原因について

血尿の原因は、膀胱がん尿管結石・尿路感染症・前立腺がん前立腺肥大症・腎臓疾患・尿管がんなど様々です。血尿の原因として多い主な疾患について説明していきます。

3-1膀胱がん

膀胱がんは肉眼的血尿が出ます。特徴としては、無症候性肉眼的血尿が特徴です。これは何も症状(痛みや頻尿など)がなく、血尿が出ることが特徴です。


膀胱がんの治療は、尿道を介して治療する経尿道的膀胱腫瘍切除術や膀胱がんが進行した場合は、お腹を開けて膀胱を摘出して人工膀胱を作る場合があります。人工膀胱になると尿をお腹から排出する必要があり、日常生活にも制限が出てしまう可能性がありますので、膀胱がんは早期発見・早期治療が非常に大切になります

3-2尿管結石

尿管結石は血尿とともに左右どちらかの腰、脇腹の痛みが出ることが特徴です。とても痛みが強く、その人の性格が変わるほどと言われています。検査にはCT検査が有用で、治療は基本的には水分を摂って自力で結石を排出させる方法を取ります。

もし自力で排出できない場合は、経尿道的に結石をレーザーで砕いて摘出する手術や、体の外から衝撃波を当てて結石を砕く手術などがあります。

3-3尿路感染症

尿路感染症は、前立腺炎膀胱炎や腎盂腎炎があります。血尿の他にも前立腺炎や腎盂腎炎は発熱を伴うことがあります。治療は基本的には抗生剤の投与です。

結石を伴う尿路感染症の場合は、抗生剤を投与した後に結石を除去する必要があります

3-4前立腺がん

前立腺がんは2023年現在、男性で最もかかる方が多い癌になっております。食の欧米化と日本人の高齢化が主な原因となっております。前立腺がんは無症状で進行することが多く、血尿が出る頃にはかなりの進行がんになっています。

前立腺がんの検査は、PSAという採血検査で分かります。
前立腺がんの治療は、放射線治療やロボット手術、ホルモン療法など多岐に渡ります

4.血尿の検査について

4-1尿検査

血尿が出た場合、尿検査は泌尿器科ではとても大事な検査になってきます。尿の中に白血球や赤血球が混じっていないかを観察したり、ばい菌や癌細胞がいないかを観察したりします。

4-2採血検査

採血検査は、感染症を起こすと上昇する炎症の値(白血球やCRP)を観察したり、腎臓の機能が保たれているかを確認します。

また、前立腺がんのマーカーであるPSAの確認もします。採血検査も血尿の診断の際には非常に大切な検査になってきます。

4-3超音波検査

超音波検査は放射線を使用しないため体に害がなく、非常に多くのことがわかる有効な検査です。尿管結石がないか、腎臓が腫れていないか(水腎症がないか)、膀胱に癌がないか、膀胱結石がないか、前立腺が肥大していないかなどを観察します。

短時間で終わる検査で、体にダメージがないため非常に有用な検査とされております。

4-4レントゲン検査

レントゲン検査は、放射線によって体の中を映し出す検査です。レントゲンで尿管結石の存在がわかる場合もありますが、結石を映し出すという点では精度はあまり高くありません。

もし尿管結石を疑って、レントゲン検査をしてもはっきりわからない場合は、CT検査に移行します。

4-5CT検査

CT検査は、泌尿器科ではとても大切な検査になってきます。特に尿管結石の診断には圧倒的な診断能力があります。

レントゲンや超音波でも分からなかった尿管結石の存在がCT検査では分かります。また前立腺肥大症や膀胱内の病気の診断にも有用です。当院でもCT検査を行っております。

4-6膀胱鏡検査

膀胱鏡検査は、膀胱がんを疑ったり、膀胱結石を疑った場合に行います。当院では「軟性膀胱鏡」といって、柔らかい膀胱鏡を使用して身体になるべく負担のないような膀胱鏡を使用しております。

膀胱の中を直接カメラで観察することができるため、得られる情報が確実な上、検査時間も3分程度で済むため非常に有用な検査です。

5.血尿の治療について

血尿の治療は、その各々の原因の病気の治療をしていきます。膀胱がんであれば、内視鏡的手術や開腹手術(ロボット支援下手術や腹腔鏡手術も含む)、尿管結石であれば、保存的治療や内視鏡的治療や体外衝撃波治療、尿路感染症であれば抗生剤の投与になります。

当院では、C T検査・採血・超音波検査などの十分な検査で血尿の原因を特定して、その血尿の原因となる病気の治療にあたります。大きな手術が必要な場合は、我々の連携している信頼出来る適切な病院に紹介させていただいております。

6.血尿を放置するとどうなるか

血尿を放置すると当然病気が進行してしまいます。尿管結石であれば、結石が尿管内にとどまることで、腎臓の機能が低下していき、最悪の場合は人工透析に至ります。膀胱がんの場合、早期であれば経尿道的に内視鏡で切除できますので、身体に負担がかからず、お腹に傷もできません。

一方で癌が進行してしまうと、お腹を開けた手術になり、膀胱を全部摘出した後に尿をお腹から出す人工膀胱という状態になる場合もあります。血尿は早期発見、早期治療が非常に大切です。血尿に気づかれた方、検診で尿潜血を指摘された方は、必ずお近くの泌尿器科を受診してください。

7.当院の血尿の診療

当院はCT検査、レントゲン検査、超音波検査、膀胱鏡検査といった血尿の診断に適した検査機器を取り揃えております。

血尿に気づかれた方、または人間ドックや健診で尿潜血を指摘された方は放置せずに新橋消化器内科・泌尿器科クリニックまでお越しください。

8.診療費用

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
尿流量動態検査 1500円
膀胱鏡検査 3000円
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

※3割負担の場合

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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