急な腹痛(お腹の痛み)を感じると、皆様非常に驚かれてしまうのではないでしょうか。

腹痛(お腹の痛み)には怖い病気が隠れている場合が多くあります。一時的なものだと判断するのではなく、もし腹痛(お腹の痛み)を感じた場合は、適切な処置を取ることが大切です。

腹痛についての原因や検査の仕方、対処法など、このページでわかりやすく説明させていただきました。ご覧いただき、皆様がお近くの医療機関を受診するきっかけになれば幸いです。

腹痛(お腹の痛み)とは

腹痛とは、文字の通りお腹が痛くなることで、肋骨の下から恥骨の上の図のような範囲が痛くなることを言います。

お腹の痛みと言っても、なんとなく痛い、キリキリ痛い、脈打つ様に痛い、絞られる様に痛いなど自覚症状は様々です。同様に腹痛の原因も多岐に渡ります。また、痛みの持続時間も、ずっと痛い、痛い時と痛くない時があるなど様々です。

腹痛(お腹の痛み)の原因

消化器系の病気(胃や腸や胆嚢など)

胃・十二指腸潰瘍

胃・十二指腸潰瘍による腹痛はみぞおちや上腹部の痛みになります。食事の前後に痛みが起きることが特徴です。胃十二指腸潰瘍は必ず内服薬(胃酸を抑える薬)で治療しなければいけません。もし治療しないで放置しておくと、胃や十二指腸に穴が開いて手術が必要になってしまいます。

また、原因としてピロリ菌の感染を起こしていることがありますので、必要に応じてピロリ菌の除菌をすることが根治につながります。食事の前後にみぞおちに強い痛みを感じた方は、消化器科のクリニックを受診して、胃カメラ検査を受けることをお勧めします。

逆流性食道炎

逆流性食道炎もみぞおちや上腹部に強い痛みを生じる場合があります。胃酸が食道に逆流することで起こる痛みです。痛みのほか、喉の違和感、ゲップ、胸焼け、胃もたれなどを感じる方もいらっしゃいます。逆流性食道炎も胃酸を抑えるお薬で治療をします。

また、食後すぐに横にならないなどの生活習慣の指導も合わせて行います。ゲップや胃もたれ、上腹部の痛みを感じた方は、消化器科を受診して胃カメラを受けることをお勧めします。胃がんでも似たような症状が起きる場合がありますので、放置することは非常に危険です。

胆石症

胆石症は、胆道（多くは胆嚢の中）に結石ができることを言います。右の上腹部、肋骨の下の痛みが特徴です。食後に痛みが起こることが多く、40〜50代の女性で肥えた方に多いと言われております。胆石症は症状が出ない場合もあります。

一方で痛みがある場合は胆嚢炎や胆管炎を起こしていることがあり、手術が必要になる事もあります。右上腹部の痛みに気づいた方は消化器科のクリニックを受診することをお勧めします。

膵炎・膵臓がん

膵臓の炎症や、膵臓に癌がある場合でも腹痛が生じます。膵臓は胃の後ろ側に位置しているため、みぞおちや背部に痛みを感じることが特徴です。膵臓は沈黙の臓器とも言われ、症状が非常に出にくい臓器でもあります。

そのため、腹痛を感じて医療機関を受診した時には既に病状が進行した状態であることが多いのが現状です。つまり、軽い痛みでも、早めの検査や治療が必要になります。みぞおちの痛みや背部の痛みに気づいた方は、CTや超音波検査のできる消化器科のクリニックを受診することをお勧めします。

腸の病気

大腸や小腸に炎症や感染があったり、癌があった場合も腹痛を生じます。腸に病気がある場合、腹痛とともに下痢や便秘などの症状を生じるのが特徴です。腸炎（腸が感染などで炎症を起こす事）の場合には腹痛とともに下痢を伴います。

また、大腸がんがある場合、腫瘍によって腸が狭くなって便が出ず、腹痛に加えて便秘や一時的な下痢を伴います。

下痢や便秘を伴う腹痛がある場合は、CTや大腸内視鏡検査（大腸カメラ）の出来る消化器科のクリニックを受診することをお勧めします。

泌尿器系の病気(腎臓、尿管、膀胱など)

尿管結石・尿路結石症

尿管結石の痛みは非常に強く、痛みの王様と言われています。左右どちらかの腰と脇腹の激しい痛みが特徴です。痛みが24時間ずっと続く事はありません。ですが、痛みが出ている時はその激しすぎる痛みのせいで、怒鳴ったり、騒いだりする方もいて、まるで人柄が変わってしまったようだと表現されることもあります。

また、腰痛や腹痛とともに血尿が出ることもあります。尿管結石の症状を疑い、痛みが非常に強い時は救急車を呼んだ方が良い場合もあります。お近くに泌尿器科のクリニックがある場合は、早めの受診をお勧めします。

膀胱炎

膀胱炎は、若い女性に多く、頻尿(尿の回数が多くなること)、残尿感、排尿時痛が特徴的な症状です。下腹部に痛みを生じる場合もあります。治療はたくさん水分を摂って膀胱炎の原因となっている菌を洗い流す事と、抗生物質の内服です。

膀胱がん・前立腺がん

膀胱がんや前立腺がんでも、症状が進行すると、下腹部痛を生じることがあります。また、血尿や膀胱刺激症状(頻尿、残尿感、排尿時痛)を伴うことが多いです。下腹部痛に、血尿や膀胱刺激症状が加わっている場合は、泌尿器科のクリニックを受診することをお勧めします。

腹痛(お腹の痛み)の原因となるその他の疾患

大動脈の病気

腹部大動脈瘤や大動脈乖離などでも腹痛が起こります。大動脈がパンパンに膨れ上がったり、裂けたりする病気です。激しい腹痛が起こるのが一般的ですが、まれに腹痛が弱い場合もあります。激しい痛みの場合はすぐに救急車を呼んだり、医療機関を受診されますが、痛みが弱い場合は様子を見たり、放置する方も多いため非常に危険です。

大動脈の病気は放置すると、死に直結するケースもあります。腹痛に気づいた場合は必ずCTが出来る医療機関を受診することをお勧めします。

婦人科系疾患

子宮や卵巣に感染や癌などがあった場合も下腹部に痛みを生じることがあります。経膣超音波検査や腹部超音波検査、CT検査が婦人科疾患の特定には有用になってきます。当院の検査にて婦人科系の病気を疑った場合には、婦人科のある適切な医療機関を紹介させていただきます。

腹痛(お腹の痛み)の原因がはっきりしない場合

腹痛があって医療機関を受診して、胃カメラやCT検査、採血検査などをしても、腹痛の原因がはっきり分からない場合もあります。整形外科的な痛み、筋肉の痛み、ストレスによる腹痛も実は多々あります。

その場合、職場環境や生活環境を整えたり変えたりすることで、腹痛が治る場合も多くあります。ですが、ご自身で痛みの原因を判断するのではなく、上記に挙げたような消化器系や泌尿器系の病気、大動脈の怖い病気が隠れていないかを確認する必要があります。

腹痛(お腹の痛み)の検査

尿検査

尿検査は泌尿器系の病気を疑った場合にはとても有用な検査になります。尿管結石や膀胱炎では、尿の中に血液（赤血球）や感染の兆候（白血球）が現れます。また、膀胱がんでは、尿の中にこぼれ落ちた癌細胞が混ざってきますので、診断の参考にします。

採血検査

採血検査は、腹痛の際にはとても大切な検査になります。炎症所見(白血球、CRP)が上昇していないか、肝臓や胆道の酵素の値（AST、ALT、アミラーゼなど）が上昇していないか、腎臓の機能が低下していてないかなどを確認します。必要に応じて癌の腫瘍マーカーを調べたりもします。

超音波検査

超音波検査は、身体に害がなく検査ができるとても有用な検査です。超音波検査では肝臓や胆嚢、膵臓、腎臓、膀胱、卵巣、子宮、前立腺などの腹部にある臓器を調べるには非常に有用です。また、虫垂炎や憩室炎、虚血性腸炎などの腸の病気を調べることもできます。

当院でも超音波検査を行っております。詳しくは当院医師・スタッフまでお尋ねください。

CT検査

CT検査は、多少の放射線被曝がありますが、身体の中を詳細に観察することができるとても有用な検査になります。1mm以下のごく小さな病変も見つけることができ、胆嚢、膵臓、大動脈、腎臓、尿管、膀胱などを詳細に観察できます。また、体の中に金属（ボルトやペースメーカーなど）が入っていても検査が可能ですので、腹痛の際の検査によく活用されます。当院でもCT検査を行っております。詳しくは当院医師スタッフまでお尋ねください。

胃カメラ検査

胃カメラ検査は、胃潰瘍や胃がん、逆流性食道炎などを疑った場合に行われます。食道や胃、十二指腸を直接カメラで観察することができ、疑わしい病変があった場合には粘膜を採取し、病理組織検査をすることもできます。

CT検査や超音波検査では、食道、胃、十二指腸の粘膜の表面は詳細に観察できないため、胃や食道、十二指腸の病気を疑った場合は、胃カメラ検査が非常に大切になります。当院の胃カメラ検査は鎮静剤を使用して苦痛なく受けていただくことができます。

    漫画でわかる胃カメラ検査
胃内視鏡検査

大腸内視鏡検査

大腸がんや腸の病気を疑った場合は、大腸カメラを行うことが大切になります。肛門からカメラを入れて直腸から盲腸までを観察します。大腸カメラ検査も必要に応じて炎症のある粘膜を採取し、病理組織検査をすることができます。大腸カメラは苦しいイメージがありますが、当院では鎮静剤を使用して苦痛なく眠ったままお受けいただくことが可能です。

漫画でわかる大腸カメラ検査
大腸内視鏡検査

腹痛の治療

腹痛の原因は上記に挙げたように様々です。疑った疾患に応じた治療を行う必要があります。十分な検査によって腹痛の原因を特定し、適切な治療や生活習慣の改善を行うことが必要になってきます。

腹痛(お腹の痛み)を放置すると

腹痛の原因によっては、死に直結する場合もあります。痛みが弱いからといって放っておくことで病状が進み、手遅れになる場合もありますので、放置しておくことは非常に危険です。

急な腹痛(お腹の痛み)を感じたら

日頃から定期的な健康診断を受けることは非常に大切ですが、それでも腹痛に気づいた方は、必ず近くの医療機関を受診しましょう。痛みの大小にかかわらず、大きな病気が隠れている場合もありますので、自己判断せずに適切な検査を受け、原因を明らかにすることが大切です。

新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは腹痛の症状に対して適切な検査、診断、治療を行うことができます。当院では超音波検査やCT検査も受けていただくことが可能です。腹痛を感じた方は、新橋消化器内科・泌尿器科クリニックまでご相談ください。

診療費用

尿検査のみ	2000円前後
エコー検査のみ	2500円前後
採血＋尿検査	3500円前後
採血＋尿検査＋エコー検査	5000円前後
CT検査	5000円前後
尿流量動態検査	1500円
膀胱鏡検査	3000円
胃カメラ	4000円前後
大腸カメラ	5000円前後

※3割負担の場合

新橋院

大宮院

池袋院