糖尿病の方必見! 糖尿病を悪化させる最悪な朝食 3 選
はじめに
新しい 1 日の始まり、皆さんは何を召し上がっていますか?
手軽にパッと準備して食べられるものを召し上がっていませんか?
実はその食品は血糖値を急上昇させ、糖尿病を進行させたり、糖尿病の原因となったりしているかもしれません。
糖尿病の患者数
厚生労働省によると、日本で糖尿病が強く疑われる方の数は 1,000 万人、糖尿病の可能性を否定できない方も 1,000 万人とされており、合わせて 2,000 万人もの方が何らかの対策を必要とされていると言われています。
国は糖尿病を最重要疾患と位置づけ、早期発見、早期治療、合併症予防に力を入れています。
実は怖い?便利な食品
今はスーパーのみならずコンビニでも冷蔵庫から出すだけ、袋を開けるだけ、炒めるだけで簡単に食べられる食品が溢れており、忙しい現代人の朝食には非常に便利となっています。
便利である反面、血糖が急上昇しやすいものも多く、毎日摂り続けているうちに糖尿病が悪化したり、知らず知らずのうちに糖尿病を引き起こしたりする原因になる場合があるのです。
そこで今回は血糖が急上昇してしまう「危険な朝食」をランキング形式でお話しさせていただきます。
「血糖が急上昇する危険な朝食」第 3 位 加工肉
ハムやベーコン、ソーセージなどの加工肉や赤身肉は2型糖尿病の発症リスクを上昇させることが海外の調査研究で報告されています。
加工肉は⻑期保存が可能となるように塩せき、発酵、薫製、塩漬けなどの加工をしてあるため塩分が非常に高く、糖尿病だけではなく、高血圧の原因ともなってしまいます。
2015 年 10 月に IARC(国際がん研究センター)は加工肉を「人に対して発がん性があるグループ1」と分類しました。
グループ1は発がん性の十分な証拠があるとされたグループを指し、カビの一種であるアフラトキシンや化学物質のベンゼンなどがこのグループに入ります。
これらの物質と同じグループの中に加工肉が含まれているのは驚きですよね。
この発表がされてから 10 年近くが経とうとしていますが、まだご存知ない方が非常に多いのです。
とはいえ、加工肉を食べているからと言って必ずしも糖尿病になったり、高血圧になったり、癌になったりするわけではありません。
注意するべきポイントは「⻑期に渡って摂取する」というところなのです。
そこで、加工肉を毎日食べている場合は少し頻度を減らす、加工肉を生肉に切りかえる(鶏そぼろなどもおすすめです)、加工肉のタンパク質を魚や卵に切り替えるなど、ほんの少しの工夫から始めることが大切です。
「血糖が急上昇する危険な朝食」第 2 位 菓子パン類
グリセミックインデックス(GI)をご存知ですか?
「食後の血糖値の上昇具合を数値化したもの」をいい、GI が 70 以上の食品を高GI 食品、56~69 までの食品を中 GI 食品、55 以下の食品を低 GI 食品と定義しています。
70 以上の高 GI 食品は血糖値が急上昇するため、糖尿病や肥満の原因となったり、悪化させたりする原因となります。
逆に低 GI 食品は血糖値の上昇が緩やかで、糖尿病や肥満の発症リスクを低減させる可能性があることが分かっています。
菓子パン類は GI 値が非常に高く、90 前後のものが多いほか、トランス脂肪酸や不飽和脂肪酸などの有害な脂質が含まれています。これらの脂質は心筋梗塞などの冠動脈疾患、肥満、アレルギー性疾患との関連があるとされているのです。
「簡単で便利だから」という理由で菓子パンを毎日のように朝食にしている方は血糖値が急上昇し、糖尿病を悪化させるばかりでなく、新たな生活習慣病(高血圧や脂質異常症など)を誘引するきっかけになったり、相互に悪影響を与えたりする原因ともなってしまいます。
甘くてとても美味しい菓子パンですが、たまに少しだけ食べる程度が良さそうですね。
「血糖が急上昇する危険な朝食」第 1 位 野菜ジュース
私が常々、糖尿病患者様に指導している事のひとつに「カロリーを飲まない」ということがありますが、それはコーラやジュース、清涼飲料水に限ったことではありません。
健康的なイメージの野菜ジュースですが、種類によっては糖分や果糖が含まれていることが多いのです。
これはお子さんからお年寄りまでどんな年代の方でも飲みやすくするための工夫だと考えられますが、飲みすぎるとカロリーオーバーになり、ダイレクトに血糖値の上昇に繋がってしまいます。
「健康のために」と毎日野菜ジュースを飲んでいる方にとっては少しショックなお話しだったかもしれません。
中には野菜だけで作られたジュース(少しドロッとしています)もありますので、パッケージをよく確認して購入することをお勧めします。
血糖を上げないお勧めの朝食
✅ ハムやベーコンなどの加工肉➡加工されていない生肉
✅ ハムやベーコンなどの加工肉➡卵や魚などでたんぱく質を補う
✅ 糖分の入った野菜ジュース➡無糖のコーヒー
✅ 菓子パン➡ライ⻨パン・全粒粉パンなどの GI 値が低いパン
✅ 白米➡玄米
✅ コーンフレーク➡オートミール
「明日から全て変更」というわけではありませんが、これらを毎日食べていたという方は回数を少し減らすところから始めてみてはいかがでしょうか。
少しずつ、少しずつ自分の意識を変えていけば、それに伴って行動も変わっていくかもしれませんね。
まとめ
今回紹介した食べ物の中には「体に良いと信じて積極的に摂取していたのに」「便利でよく使っていたのに」というものもあったかもしれません。
食事は私たちの身体を作るもとになります。食事を変えることは身体を変えることに繋がり、身体を変えることは病気を防ぐことに繋がります。
なんでも手に入る飽食の日本ですが、何を選んで食べるかは私たちの意識で変えていくことができます。
多くの方が正しい知識を得て、健康で幸せな毎日を過ごしてほしいと心より願っています。
日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。