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腰痛(腰の痛み)・背部痛(背中の痛み)の原因と対処法・検査・治療について

腰痛(腰の痛み)や背部痛(背中の痛み)に悩んでいる方は非常に多いと思います。

長期間続いている腰痛や背部痛であれば、整形外科的な筋肉や骨による影響が考えられるかもしれませんが、急に生じる腰痛や背部痛は体の中の内臓が原因で痛んでいる可能性があります。

このページでは腰痛(腰の痛み)や背部痛(背中の痛み)の原因や検査について分かりやすくまとめました。皆様の腰痛や背部痛についての理解の助けになれば幸いです。

1 腰痛・背部痛とは

腰痛とは腰の痛みであり、背部痛とは背中の痛みです。急に動いたりすることで起きる腰痛(ぎっくり腰など)もありますが、長時間同じ姿勢でいたり、硬い布団で寝たり、長年の姿勢や歩き方などで起きる腰痛や背部痛もあります。

そのような腰痛、背部痛に悩まされている方は非常に多いです。ですが「急に来る腰痛、背部痛」や「数日前から感じている腰痛、背部痛」が実は体の内臓から来ていることも多々あるのです。

痛みの原因が自分の姿勢や骨や筋肉のことだと決めつけないで、腰痛や背部痛に気づいた場合は、適切な病院やクリニックで検査を受けることが大切になってきます。

2 腰痛・背部痛の原因

2.1消化器系の病気(胃や腸や胆嚢など)

2.1.1逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸が胃から食道に逆流することで食道が炎症を起こすことを言います。症状にはゲップや胸焼け、胃もたれ、胃の痛み、咳などがありますが、背中の痛みとなって現れることもあります。

治療は胃酸を抑えるお薬、食道や胃の蠕動運動をよくするお薬です。逆流性食道炎と診断するためには、胃カメラ検査をして、食道、胃、十二指腸を詳しく観察する必要があります。

胃カメラ検査をして、胃酸の逆流による食道の炎症がないかを確認します。当院の胃カメラは鎮静剤を使用して苦痛なくお受けいただくことができます。

2.1.2膵炎、膵がん

急性膵炎や慢性膵炎膵臓がんでも背中の痛みが起こります。膵炎の原因はアルコールが最も多く、薬剤性(治療目的で使用した薬剤による膵炎)などもあげられます。

また、膵臓がんの原因は、喫煙やアルコール、遺伝、膵臓嚢胞(膵臓の中に液体が溜まる事)、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が挙げられます。

膵臓は沈黙の臓器とも言われ、なかなか症状が出にくいのが特徴です。気づいたときには、既に病気が進行しているという可能性もあります。

今まではなかった背中の痛みに気づいた時は、消化器科のある病院やクリニックを受診しましょう。

2.2泌尿器系の病気(腎臓、尿管、膀胱など)

2.2.1尿管結石・尿路結石

尿管結石の痛みは非常に強く、痛みの王様と言われています。左右どちらかの腰と脇腹の激しい痛みが特徴です。

痛みが24時間ずっと続く事はありません。

ですが、痛みが出ている時はその激しすぎる痛みのせいで、いつもは穏やかな方が攻撃的になったりするため、まるで性格が変わってしまったようだと言われる程の痛みです。また、腰痛や背部痛とともに血尿が出ることもあります。

尿管結石の治療は、水分を摂取して尿とともに結石を排石させる保存的治療、もしくは尿道から内視鏡を挿入してレーザーで結石を細かく破砕して取り出す内視鏡治療、あるいは体の外から衝撃波を当てて、結石を細かく破砕して尿と一緒に自然排石を促す方法などがあります。

片方の腰の激しい痛みに気づいた方は泌尿器科を受診してCT検査などを受けることをお勧めします。

2.2.2前立腺がん、膀胱がん

前立腺がん膀胱がんは、初期の段階では背中に痛みを生じません。進行が進むと前立腺がんや膀胱がんは、リンパ節と骨に転移しやすく、特に腰の骨や背中の骨に転移しやすい傾向にあります。

膀胱がんや前立腺がんが進行し、腰の骨や背中の骨に転移をした場合、転移してしまったその部位に痛みを生じます。

2.3腰痛・背部痛の原因となるその他の病気

2.3.1大動脈瘤、大動脈乖離

大動脈がこぶのように腫れてしまったり(大動脈瘤)、大動脈が裂けてしまうと(大動脈解離)、腹痛とともに激しい背部痛を生じる場合があります。

鋭い急な痛みを生じる場合がほとんどですが、大動脈がじわじわと傷つけられていると、痛みもあまり強く出ないケースが稀にあります。

大動脈は心臓から全身に血液を送り出す大切な血管ですので、大動脈の病気は死に直結してしまう恐れがあります。

背部痛を感じた方は、CT検査や超音波検査など適切な検査を受けることをお勧めします。

2.3.2整形外科的な痛み

腰や背中には、たくさんの筋肉と骨があります。同じ姿勢でいることや、長年の姿勢や歩き方、運動不足などから腰や背中に痛みが生じることが多々あります。

内臓の病気を否定するため、まずは泌尿器系の病気や消化器系の病気、大動脈の病気などの検査をします。

その結果が問題なければ、整形外科的な痛みや筋肉の痛みであると判断します。痛みの原因をご自身で判断することは非常に危険ですので、必ず病院やクリニックを受診しましょう。

3 腰痛・背部痛の検査

3.1尿検査

腰の痛みや背中の痛みには、尿検査はとても大切な検査です。尿管結石膀胱がんでは、尿の中に血液(赤血球)や感染の兆候(白血球)が現れます。また、膀胱がんでは、尿の中に癌細胞が混ざってきますので、診断の参考にします。主に泌尿器科の疾患を疑う時に行う検査です。

3.2採血検査

腰痛、背部痛に対して採血検査はとても大切な検査になってきます。体の中に炎症反応(白血球やCRPの上昇)がないか、また、肝臓の機能や膵臓の機能、腎臓の機能は問題ないかなどを確認します。必要に応じて腫瘍マーカーの検査をする場合もあります。

3.3超音波検査

超音波検査で確認出来る尿管結石

超音波検査も腰痛、背部痛にはとても大切な検査になってきます。臓器の炎症がないか、癌がないか、尿管結石がないか、大動脈が腫れていないかなどを確認することができます。超音波検査は体に害がなく、とても多くの情報を得られる検査です。当院でも超音波検査を行っております。

3.4CT検査

CT検査で確認出来る左尿管結石

CT検査は多少の放射線被曝がありますが、身体の中を隅々まで観察できるとても有用な検査となってきます。CTは1mm以下の病変も見つけることができ、大動脈、膵臓、腎臓・尿管、膀胱、肝臓などを詳細に観察することができるため、確定診断に繋がります。

また、体の中に金属(ボルトやペースメーカーなど)が入っていても検査をすることができるという利点もあります。当院でもCT検査を受けていただくことができます。

3.5.胃カメラ検査

胃カメラ検査は、逆流性食道炎胃がん胃潰瘍などを疑った場合に行われます。
食道や胃、十二指腸をカメラで直接観察することができ、必要に応じて炎症のある粘膜を採取し、組織検査をすることもできます。

CT検査や超音波検査では、食道や胃の表面などは詳細に観察できないため、食道や胃の病気を疑った場合は、胃カメラ検査が大切になります。当院の胃カメラ検査は麻酔を使用して苦痛なく眠ったままお受けいただくことが可能です。

3.6大腸カメラ検査

腰痛、背部痛と大腸とは直接関連がないことが多いですが、痛みの原因を大腸がんからの腰椎への転移と疑った場合は、大腸カメラを行う場合があります。大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は、辛いイメージがありますが、当院では麻酔を使って苦痛なくお受けいただくことが可能です。

4 腰痛・背部痛の治療

腰痛や背部痛の原因となっているそれぞれに沿った治療を行います。治療の内容は生活習慣の改善から、内服治療や手術まで様々です。

5 腰痛・背部痛を放置すると

上記に挙げた通り、腰痛や背部痛には膵臓の病気や大動脈の病気、癌など重大な病気が隠れていることが多々あります。放置することで命に関わる場合もあります。腰痛や背部痛に気づいた場合は、整形外科的な痛みだと放置せずに、早めの受診が大切なのは言うまでもありません。

6急な腰痛・背部痛を感じたら

普段、生活をしている中で、いつもと違う腰痛や背部痛を感じたら、必ず適切な検査ができる医療機関を受診しましょう。

新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは、腰痛や背部痛に対しての適切な検査、診断、治療をすることが可能です。平日は19時まで診療しており、新橋駅からすぐの場所にありますので、皆様お気軽にどんなことでもご受診、ご相談ください。

7診療費用

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
尿流量動態検査 1500円
膀胱鏡検査 3000円
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

※3割負担の場合

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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