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亀頭包皮炎(陰茎・ちんちん・ペニスが赤い、腫れる、痛い、痒い)について

亀頭包皮炎は悩んでいる方が非常に多い病気です。男性にしか起こらない病気ですが、陰部の事なのでなかなか人に相談もできず、医療機関の受診もためらいがちになってしまう傾向があります。また治りづらいため非常にストレスになりやすいです。中には5年以上悩んでいるという方もたくさんいらっしゃいます

当院では他の3つの分院を含めると、亀頭包皮炎の症状で1日に30人から40人ほどの新規の患者様がいらっしゃいます。どれだけ悩んでいる方が多いかお分かりかと思います。このページでは亀頭包皮炎の症状、検査、治療などについて実際の症例写真も交えて皆様に分かりやすく説明していこうと思います。

1.亀頭包皮炎とは

亀頭包皮炎とは、陰茎の表面に起きる炎症のことを言います。この場合の炎症とは、陰茎の傷ついた部分や弱ったところに外部から細菌や真菌やウイルスが感染をすることを意味します。

感染が起きることで、陰茎が赤くなったり、痒くなったり、痛くなったり、腫れたり、カス(白苔)が大量に出たりする症状が出ます。亀頭包皮炎の種類によって症状が異なりますので、詳しくはこれから述べる亀頭包皮炎の種類をご覧ください。

2.亀頭包皮炎の種類

2-1細菌性亀頭包皮炎

細菌性亀頭包皮炎は、細菌感染によって起こる陰茎の炎症です。症状が非常に強く、亀頭と包皮に濃くて強い赤みが出ます。

一方、真菌性だとこれがややピンク気味になります。それが細菌性と真菌性の違いになります。細菌性亀頭包皮炎は、痛み、腫れ、痒みも強く、症状が出てから、2〜3日以内に患者様が受診されるのが特徴です。

実際の症例①実際の症例②実際の症例③実際の症例④

2-2真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎

真菌性(カンジダ性)亀頭包皮炎は、真菌(カンジダ)によって起きる感染症です。
亀頭と包皮が淡い赤色やピンク色になり、かゆみも出て、カス(白苔)が出るのが特徴的です。患者様の中には、陰茎がカサカサする、という表現をされる方もいらっしゃいます。


症状があまり強くないため、受診をせずに数年間放置している方が多いのも、この病気の特徴です。
この真菌感染が起きている状態では、陰茎の皮膚が弱っているため、性行為などで皮膚が切れやすくなります。ですので、横に切れ目が入ったり、縦に切れ目が入ったりするのも真菌(カンジダ)感染の特徴です。

また、長期間感染や炎症があることで、陰茎の皮膚が硬くなってしまう場合もあります。硬くなった皮膚は、元の柔らかい状態に戻る事が難しくなってしまいます。ですので、真菌性亀頭包皮炎に気付いた段階での早めの治療が大切です。

実際の症例①実際の症例②実際の症例③実際の症例④

2-3ウイルス性亀頭包皮炎

ウイルス性亀頭包皮炎は、ヘルペスウィルス感染によるものです。ヘルペスは、口唇に起こるものが有名ですが、陰茎や女性の陰部にも起こります。

男性の場合、亀頭や包皮が剥げたような状態(びらん)が多発します。水泡(水ぶくれ)ができることもあり、強い痛みを伴いますし、発熱を伴う場合もあります。

びらんは数日でかさぶたとなり治っていきますが、ヘルペスウィルスは一度感染すると体から消えることはなく、免疫力が落ちた時に再発してしまいます。また、ヘルペスの症状は梅毒にもよく似ており、梅毒との鑑別が必要となってきます。

実際の症例①実際の症例②実際の症例③実際の症例④

3.亀頭包皮炎の検査

3-1尿検査

尿検査は泌尿器科ではとても大切な検査となります。亀頭包皮炎では、一般的に尿検査で異常を認めることはありませんが、性行為感染症(性病)を疑う場合は、同時に尿検査を行う場合もあります。

3-2採血検査

亀頭包皮炎での採血検査は、炎症(白血球やCRP)の程度や、糖尿病がないかなどを判断するために行います。

糖尿病がある方は、免疫力が弱っている方が多く、亀頭包皮炎になりやすいと言われています。亀頭包皮炎の症状で採血をして、糖尿病が発覚する方が多いのも特徴です。


ペルペスを疑う場合には、採血でヘルペスウィルス抗体を調べます。また、ヘルペス性の亀頭包皮炎は、見た目が梅毒の症状にも似ているため、血液検査で梅毒の検査を同時に行う場合もあります。

3-3拭い検査

炎症のある亀頭や包皮の表面を綿棒で拭って、綿棒についた菌を培養させ、原因の菌(細菌か真菌か)を調べます。結果が出るまでにおおよそ1週間ほどかかります。
また、ヘルペスウィルスに関しては、結果が当日すぐに出る迅速キットで調べる事もできます。

4.亀頭包皮炎の治療

4-1細菌性亀頭包皮炎の治療

細菌性亀頭包皮炎の治療は、抗生剤の飲み薬と塗り薬です。治療を開始して1週間〜2週間ほどで治癒します。

4-2真菌性亀頭包皮炎の治療

真菌性亀頭包皮炎の治療は、抗真菌薬の塗り薬がメインになります。細菌性亀頭包皮炎を合併していることがあるため、抗生剤の内服も同時にする場合もあります。

そうすることで表面的な炎症は1週間〜2週間で改善が見られてきます。ですが、そこで治療を中止してしまうと再発してしまうことが多いのが細菌性亀頭包皮炎の特徴です。ですので、塗り薬はしっかり1ヵ月〜2ヶ月間は塗るようにしましょう。

4-3ウイルス性亀頭包皮炎の治療

先述の通り、ウイルス性亀頭包皮炎はヘルペスウィルスによるものです。治療は抗ヘルペスウィルス薬を内服します。

内服後にも痛みが残ったり、症状が残っている場合は、抗ヘルペスウィルスの塗り薬で治療します。

5.実際の症例

5-1 33歳男性

3日前からの包皮の痛みと腫れ、赤みに気づき、泌尿器科を受診。拭い検査で細菌性亀頭包皮炎と診断された。抗生剤の飲み薬と塗り薬を使用して1週間で完治した。

5-2 38歳男性

3年前からの包皮の赤み、かゆみ、性行為の際に包皮が切れてしまうため、泌尿器科を受診。
拭い検査で真菌性亀頭包皮炎と診断され、合わせて行った採血で糖尿病も発覚したため、同時に治療が開始となった。亀頭包皮炎については塗り薬を2ヶ月間使用して完治。糖尿病については引き続き治療が継続となっている

6.亀頭包皮炎を放置すると

細菌性亀頭包皮炎の場合は、自覚症状が強いためすぐ受診される方が多く、あまり心配は無いのですが、真菌性亀頭包皮炎の場合は、症状があまり強くないため、受診をしない傾向があります。
感染があるまま長期間放置していると、陰茎の皮膚が硬くなってしまい、切れやすくもなります。そしてそのような皮膚は元の柔らかい状態には戻りません。硬くなった包皮を切除する必要が出てくる場合もあります


また、亀頭包皮炎の影に糖尿病が隠れていた場合は、陰茎だけでなく、他の臓器にも糖尿病による様々な合併症が出てくる恐れがあります。

7.亀頭包皮炎かなと思ったら

亀頭包皮炎で悩んでいらっしゃる方は非常に多いです。陰茎に赤み、痒み、腫れ、白いカス、痛みなどが出てきたら必ず泌尿器科を受診しましょう。早めの診断と治療がとても大切になってきます。
新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは、亀頭包皮炎の適切な検査、診断、治療が可能です。専門の医師が対応致しますので、安心してご受診ください。

8.診療費用

尿検査のみ 2000円前後
エコー検査のみ 2500円前後
採血+尿検査 3500円前後
採血+尿検査+エコー検査 5000円前後
CT検査 5000円前後
尿流量動態検査 1500円
膀胱鏡検査 3000円
胃カメラ 4000円前後
大腸カメラ 5000円前後

※3割負担の場合

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の泌尿器科と消化器科の外来診察を行う
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。

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