自己脂肪由来幹細胞治療によるED治療― ED 治療は対症療法から根治治療へ―
はじめに
これまでのED治療は、薬で⼀時的に⾎流を改善する「対症療法」が中⼼でした。
しかし、加齢や⽣活習慣病で⾎管・神経が損傷されている⽅の場合、薬の効果が得られにくく、⾎管や神経の根本的な改善が必要となるケースも少なくありません。
そこで注⽬されているのが、「⾃⼰脂肪由来幹細胞治療」による再⽣医療です。
私たちが本来持つ「細胞の再⽣⼒」を活⽤し、根本から機能回復を⽬指す治療法として、国内外で研究と臨床応⽤が進んでいます。
1 EDとは
ED(勃起不全)とは、「⼗分な勃起が得られない、または維持できないために満⾜な性交が⾏えない状態」を指します。
主な原因は以下の通りです。
① ⾎管性 ED:糖尿病や⾼⾎圧、動脈硬化などにより陰茎海綿体への⾎流が不⾜
② 神経性 ED:前⽴腺⼿術後や糖尿病による神経障害
③ ⼼理的要因:ストレス、不安、うつ
④ 薬剤性 ED:降圧薬・抗うつ薬などの副作⽤
特に⾎管や神経の障害が原因のEDでは、構造的な修復がなければ根本的な改善は難しいと⾔えます。
2 幹細胞とは
幹細胞とは、「体のあらゆる細胞の“もと”になる細胞」を⾔います。私たちの体の中で、次の2つの働きを担っています。
2-1 ⾃⼰複製能
幹細胞は⾃分⾃⾝を何度でもコピーすることができます。
2-2 分化能
必要に応じて⾎管、神経、筋⾁、⽪膚など、さまざまな細胞に変⾝することができます。
さらに幹細胞は、体内で「損傷部位から発せられる SOS 信号(ケモカインなど)」を感知し、その場所にたどり着く働きを持っています。これをホーミング効果と呼びます。
ホーミング効果によって損傷部位に到達した幹細胞は、成⻑因⼦やサイトカインなどの情報伝達物質を分泌し、周囲の細胞に「修復を始めよう」というメッセージを送ります。この信号を受け取った周囲の細胞は活性化され、新しい⾎管を作ったり、損傷した神経を修復したり、炎症を抑えたりといった働きを開始します。これをパラクリン効果と呼びます。
つまり幹細胞は⾃ら修復を担うだけではなく、周囲の細胞に呼びかけ、協⼒して弱った細胞を修復・再⽣させる能⼒を持っているのです。
3 ⾃⼰脂肪由来幹細胞治療とは
⽪下脂肪には、⾻髄と⽐べて約 1,000 倍以上の幹細胞が含まれています。
この⽪下脂肪から幹細胞を採取・培養して何倍にも増やし、点滴で体内に戻すのが「⾃⼰脂肪由来幹細胞治療」です。
4 ⾃⼰脂肪由来幹細胞治療の流れ
- カウンセリング
- 事前採⾎(感染症検査)
- 脂肪の採取(おへそ付近から⽪下脂肪を約10g、局所⿇酔をします)
✳痛みに弱い⽅は点滴をして鎮静剤を⼊れ、眠った状態で⾏うことも可能です - 培養・増殖(5〜6 週間で 1〜2 億個まで増やします)
安全性チェック後、細胞投与(点滴や局所注射)
⾃分の細胞を使⽤するため、拒絶反応や重い副作⽤が極めて少ないことが特徴です。
5 ⾃⼰脂肪由来幹細胞治療のEDへの応⽤
ED では、⾎管や神経の損傷が⼤きな原因となることが多く、幹細胞の再⽣能⼒・修復能⼒が⾮常に有効であると考えられています。そこで⾃⼰脂肪由来幹細胞がED改善に期待できる効果について、紹介させていただきます。
5-1 ⾎管新⽣の促進
陰茎海綿体への⾎流は、勃起機能において最も重要な要素のひとつです。幹細胞が分泌する VEGF(⾎管内⽪増殖因⼦)などの成⻑因⼦によって新しい⾎管が形成され、損傷した⾎管が新しく作られます。
これにより、陰茎への⾎流が改善し、⾃然な勃起機能が回復しやすくなります。
5-2 神経再⽣のサポート
もう⼀つ⼤きな原因として、糖尿病や⾻盤内⼿術、加齢による神経障害が挙げられます。幹細胞は神経栄養因⼦(NGF)や脳由来神経栄養因⼦(BDNF)を分泌し、損傷した神経の再⽣を促進します。これにより、脳から陰茎への神経信号伝達が回復し、薬に頼らない⾃然な勃起機能改善が期待されます。
5-3 平滑筋機能の回復
陰茎海綿体内の平滑筋は、勃起の維持に⼤きく関与しています。幹細胞が放出するサイトカインにより、平滑筋細胞の再⽣が促され、柔軟性と収縮⼒が回復します。
これにより、勃起の質と持続⼒の両⽅が改善されることが期待されています。
臨床研究では、1億個の幹細胞を点滴投与した患者群で、陰茎海綿体⾎流が平均約35%増加したという報告もあります。
5-4 抗炎症作⽤と組織環境の改善
慢性的な炎症は、⾎管・神経・平滑筋の機能低下を引き起こし、EDを悪化させます。幹細胞が分泌する抗炎症性サイトカインにより、局所の炎症が抑制され、修復しやすい環境が整うことも重要なポイントです。
このように、⾃⼰脂肪由来幹細胞治療はEDの原因である「⾎流・神経・平滑筋・炎症」のすべてに多⽅⾯からに働きかけることが可能となります。
単に⼀時的な⾎流改善を⽬指す従来の薬物療法とは異なり、細胞レベルで根本的な回復をサポートするのが最⼤の特⻑です。
薬で満⾜のいく効果が得られなかった⽅や、より⾃然な勃起機能の回復を望む⽅にとっては根本的な解決が期待できる治療となります。
6 ⾃⼰脂肪由来幹細胞のその他の適応疾患
⾃⼰脂肪由来幹細胞治療は、ED以外にも次のような症状で応⽤されています。
- 整形外科領域:変形性膝関節症、半⽉板損傷
- 代謝疾患:2 型糖尿病、脂質異常症
- ⽪膚・美容:しわ、アトピー、ニキビ跡
- 神経疾患:脳梗塞後遺症、認知機能低下
- ⾃⼰免疫疾患:SLE、関節リウマチ
- AGA・薄⽑治療
再⽣医療は、これまで「もう治らない」「保険診療では限界」とされてきた慢性疾患にも、新たな可能性を秘めています。
7 まとめ 〜ED 治療は“再⽣”の時代へ〜
ED 治療は、薬で⼀時的に⾎流を増やす時代から、⾝体の持つ再⽣⼒を活かして根本から改善する時代へと変わりつつあります。
新橋消化器内科・泌尿器科クリニックでは、泌尿器科の専⾨知識と最先端の再⽣医療を組み合わせ、患者様⼀⼈ひとりに合わせた最適な治療法をご提案することが可能です。
「薬から離脱したい」「根本解決をしたい」「再⽣医療に興味がある」そう感じている⽅は、まずはカウンセリングからお気軽にご相談ください。
■ よくあるご質問(Q&A)
Q1. 脂肪はどのくらい採取しますか? 痛みはありますか?
A.
おへそ周囲から約10g 程度の脂肪を局所⿇酔で採取します。
⼩さな切開から脂肪を採取しますので、痛みはほとんどなく、30分ほどで終了します。痛みに弱い⽅は点滴をして鎮静剤を⼊れ、眠ったまま⾏うことも可能です。採取後はすぐに歩⾏・帰宅が可能です。
Q2. どのくらいの幹細胞を体に戻しますか?
A.
採取した脂肪から取り出した幹細胞は、提携施設で約6週間かけて培養します。最終的に1億個程度まで増やしたものを陰茎の根本4箇所に細い針で注射していきます。
Q4. 治療後に副作⽤はありますか?
A.
⾃⼰の細胞を使⽤するため、アレルギーや拒絶反応はほとんどありません。
まれに、幹細胞投与後に微熱・倦怠感・頭痛が出る場合がありますが、通常は半⽇以内で⾃然に回復します。
局所の反応では、注射部位の内出⾎や痛み、⾎尿、持続勃起症、尿閉などが考えられます。ご⼼配な症状などございましたら遠慮なく専⽤電話番号までご連絡ください。
Q5. 効果はどのくらいで実感できますか?
A.
個⼈差はありますが、注射後1週間くらいから改善を実感する⽅が多いです。
⾎管や神経が新たに再⽣されるため、薬のように即効性はありませんが、⻑期的・根本的な改善が期待できるのが特徴です。
Q6. 他のED治療薬と併⽤できますか?
A.
はい、可能です。
PDE5阻害薬(バイアグラ、シアリスなど)と組み合わせることで、より効果的な改善が⾒込まれる場合もあります。
ただし、投与量やタイミングは医師が症状に合わせて判断します。
Q7. 料⾦は?
A.
⾃⼰脂肪由来幹細胞治療は⾃費診療となり、⼀般的には1回300〜400万円で提供しているクリニックが多いようです。
当院は保険診療も⾏っているクリニックであるため、広い個室や専属コンシェルジュなどの対応が難しく、特別な空間を提供することが困難なため、価格を抑えて治療を提供させていただいております。
しかしながら、数多くの症例を経験してきた泌尿器科専⾨医が対応させていただきますので、確かな技術を提供することが可能です。
具体的な料⾦は下記の専⽤電話からお問い合わせください。
Q8. ⼀度の治療で効果はありますか?
A.
⼀度の治療で効果を実感される⽅もいますが、EDの原因や重症度によって必要な回数は異なります。
軽度〜中等度の場合は 1回で改善することもありますが、⾎管や神経の障害が⼤きい場合は、複数回の治療を組み合わせるとより⾼い効果が期待できます。
詳しくは診察時に状態を評価したうえで最適なプランをご提案します。
Q9. 幹細胞治療とエクソソーム治療はどう違うのですか?
A.
幹細胞治療は「細胞そのもの」を体に戻し、⾎管・神経・平滑筋の再⽣を促す治療です。
⼀⽅、エクソソーム治療は幹細胞から分泌される成⻑因⼦などを投与し、細胞を活性化して修復をサポートする治療です。
再⽣そのものを狙うのは幹細胞治療、補助的なのがエクソソーム治療と考えていただければと思います。
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幹細胞治療のお問い合わせ・ご予約専用電話番号 |
日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。
再生医療専門クリニックも運営

